がんと診断された方・可能性を指摘された方へ|受診までの流れと準備

「がんの可能性があります」「詳しい検査を受けてください」「がんと診断されました」
突然こうした説明を受けると、何から始めればよいのか、どの病院へ行けばよいのか、すぐに治療を決めなければならないのかと、不安になる方も少なくありません。
ただし、「がんの可能性を指摘された段階」と「がんと診断された段階」では、次に必要となる対応が異なります。
まずは現在どこまで分かっているのかを整理し、必要な検査や資料を確認したうえで、受診先を考えていくことが大切です。

このページでは、がんの可能性を指摘されてから、専門の医療機関を受診し、診断や治療方針を確認していくまでの一般的な流れと、受診前に準備しておきたいことを整理します。

「がんの可能性がある」と言われた場合

健康診断やがん検診、人間ドック、かかりつけ医での検査などで「がんの疑いがある」「要精密検査」と言われても、その時点でがんと確定したとは限りません。
がんが疑われる場合には、診察のほか、血液検査、画像検査、内視鏡検査などを行い、必要に応じて組織や細胞を調べる病理検査などによって診断を進めていきます。
国立がん研究センター「がん情報サービス」でも、がんの疑いがある方や、がんと診断された方に向けて、病院選びや受診までの考え方が案内されています。
参 考 国立がん研究センター「病院選びを考えるときに」


まずは、次の点を確認してみましょう。

  • どの検査で異常を指摘されたのか
  • 「要精密検査」なのか、がんが疑われているのか
  • どの診療科を受診するよう説明されたのか
  • 紹介状を作成してもらえるのか
  • CT、MRI、内視鏡など、すでに受けた検査があるのか
  • 受診先として紹介された病院があるのか


この段階では、まだ診断が確定していないこともあります。
病院の知名度や診療例数だけで受診先を決めることよりも、まず必要な精密検査を受け、診断を進めることが重要になる場合があります。

がんと診断された場合

がんと診断された後は、がんの種類や広がり、全身の状態などを調べ、治療方針を検討していきます。
そのため、「がんです」と説明された時点では、まだ病期(ステージ)や詳しい治療方法まで決まっていないこともあります。
担当医から説明を受ける際には、分かる範囲で次の点を確認しておくと、その後の病院選びや治療について考えやすくなります。


診断名

どの臓器にできた、どのようながんなのかを確認します。

病理診断

組織や細胞を調べる病理検査が行われている場合には、その結果について確認します。

病期(ステージ)

現時点で病期が分かっている場合には、どのステージと考えられているのかを確認します。
ただし、病期を決めるために追加検査が必要となり、最初の段階ではまだ確定していないこともあります。

転移や広がり

リンパ節やほかの臓器への広がりについて、現時点でどこまで分かっているのかを確認します。

これから必要な検査

CT、MRI、PET、内視鏡、血液検査など、今後予定されている検査と、その目的を確認します。

考えられている治療方法

手術、薬物療法、放射線治療など、現時点でどのような治療が考えられているのかを確認します。

一度の説明ですべてを理解する必要はありません。聞きたいことや分からなかったことをメモしておき、次回の診察で改めて確認する方法もあります。

別の病院を受診する場合に準備しておきたいもの

クリニックや検診施設などでがん、またはがんの可能性を指摘され、大学病院、がんセンター、総合病院などを受診する場合には、これまでの診療内容や検査結果を新しい病院へ引き継ぐことが重要です。
受診前には、次のようなものを準備できるか確認しておきましょう。


診療情報提供書(紹介状)

これまでの症状や診療経過、検査結果などを受診先の医師へ伝えるための資料です。
現在診てもらっている医師から別の医療機関を受診する場合には、紹介状を作成してもらえるか確認します。

検査結果

血液検査、内視鏡検査、病理検査などを受けている場合には、その結果を持参できるか確認します。

CT・MRIなどの画像データ

CTやMRIなどの画像検査を受けている場合には、CD-ROMなどに記録した画像データを渡されることがあります。

病理検査に関する資料

組織検査を受けている場合には、病理診断の結果や、必要に応じて病理標本などが受診先で必要になることがあります。

お薬手帳・服用中の薬が分かるもの

がん以外の病気で服用している薬も含め、現在使用している薬を医師へ伝えられるようにします。

質問したいことを書いたメモ

診察室では緊張して、確認しようと思っていたことを忘れてしまうことがあります。
病名、検査、治療方法、入院期間、仕事や生活への影響など、聞きたいことをあらかじめ書き出しておくと確認しやすくなります。

なお、必要な資料は医療機関によって異なります。受診先が決まったら、病院の公式サイトや予約窓口で確認してください。

受診する病院が決まったら確認すること

大学病院やがんセンターなどでは、病院へ直接行けばその日に希望する診療科を受診できるとは限りません。
受診先を決めたら、事前に次の点を確認しておきましょう。

  • 初診予約が必要か
  • 紹介状が必要か
  • どの診療科を予約するのか
  • 検査結果や画像データをどのように持参するのか
  • 現在の医療機関から予約してもらう必要があるか
  • 初診時に必要な書類や持ち物は何か


紹介状を持たずに一定規模以上の病院を受診する場合には、通常の医療費とは別に選定療養費が必要となることもあります。
受診方法は病院や診療科によって異なるため、最終的には受診予定の医療機関の案内を確認してください。

初診から治療方針が決まるまでの一般的な流れ

専門の医療機関を受診すると、これまでの診療経過や検査結果が確認され、必要に応じて追加検査が行われます。
一般的には、次のような流れで進みます。


初診・診察
↓
これまでの検査結果の確認
↓
必要な追加検査
↓
診断・病期(ステージ)の確認
↓
治療方法の検討
↓
担当医から治療方針の説明

ただし、がんの種類や状態によって必要な検査や順番は異なります。
初診当日に診断や治療方針まですべて決まるとは限らず、必要な検査を行ってから改めて説明を受けることもあります。

病院を選ぶときに確認したいこと

がんの治療を受ける病院を検討する際には、単に「有名な病院か」「患者数が多いか」だけではなく、自分のがんの種類や状態に対応した診療体制があるかを確認することが大切です。
例えば、次のような情報は病院を比較する際の参考になります。

  • 自分のがん種の診療実績
  • 病期(ステージ)別の診療例数
  • 年代別の診療例数
  • がん診療連携拠点病院等の指定状況
  • がんゲノム医療の体制
  • 所在地や通院のしやすさ


厚生労働省が指定する「がん診療連携拠点病院等」では、専門的ながん医療の提供、地域の医療機関との連携、患者や家族に対する相談支援・情報提供などが行われています。
参 考 厚生労働省「がん診療連携拠点病院等」


ただし、診療例数が多いことや、がん診療連携拠点病院等に指定されていることだけで、一人ひとりにとって適した病院が決まるわけではありません。
Cancer Pilotでは、公的に公開されているデータをもとに、がん種、地域、病期(ステージ)、年齢などから病院を検索・比較できます。
病期がまだ分からない場合には、「わからない・未確定」を選択して病院を探すこともできます。

セカンドオピニオンという選択肢

担当医から診断や治療方針の説明を受けたあと、次のように考えることもあります。

  • ほかの治療方法がないか知りたい
  • 提示された治療方針について別の医師の意見も聞きたい
  • 十分に納得してから治療を決めたい


そのような場合には、セカンドオピニオンを利用する方法があります。
セカンドオピニオンとは、現在の診断や治療方針などについて、現在診療を受けている担当医とは別の医師の意見を聞くことです。
セカンドオピニオンを受けること自体が、転院を意味するわけではありません。
国立がん研究センター「がん情報サービス」でも、セカンドオピニオンの利用方法や、担当医への相談、必要となる資料などについて案内しています。
参 考 国立がん研究センター「セカンドオピニオン」


実際に利用する場合には、現在の担当医へ相談し、診療情報提供書(紹介状)、検査結果、CT・MRIなどの画像データ、病理検査に関する資料などを準備します。
受診方法や費用、必要書類は医療機関によって異なるため、希望する医療機関へ事前に確認してください。

どこに相談すればよいか分からない場合

「どの病院を受診すればよいか分からない」「医師から説明を受けたが整理できない」「セカンドオピニオンについて相談したい」といった場合には、がん相談支援センターを利用する方法があります。
がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院等などに設置されている、がんに関する相談窓口です。
がんの治療に関することだけでなく、療養生活、仕事、家族、医療費などについて相談することもできます。
「何を誰に相談すればよいのか分からない」という場合にも、こうした窓口を利用することができます。

まずは「現在どこまで分かっているか」を整理しましょう

がんの可能性を指摘されたり、がんと診断されたりすると、病院、治療、手術、薬物療法、予後などについて、一度に多くの情報を調べたくなることがあります。
しかし、最初からすべてを決める必要はありません。
まずは、次のことを一つずつ確認してみましょう。

  • がんの疑いの段階なのか
  • 診断が確定しているのか
  • 病期(ステージ)は分かっているのか
  • 追加検査が必要なのか
  • 紹介状や検査データを準備できるのか


現在の状況を整理すると、次に何をすればよいのかが見えやすくなります。
そのうえで受診先を検討するときには、公的な情報や医療機関が公開している情報を確認しながら、自分の状況に合った病院を探していきましょう。


Cancer Pilotで病院を探す

Cancer Pilotでは、がん種、地域、病期(ステージ)、年齢などから病院を検索・比較できます。
⇒ Cancer Pilotで病院を探す

病院・医師選びの参考情報

病院や医師を選ぶ際の考え方については、以下の記事も参考にしてください。

※外部サイト「日本の名医・専門医navi」の記事へ移動します。

参考情報