このページは、がん患者を家族に持つ管理人が、がんの名医から教えていただいた事柄を中心に、名医の視点・患者の視点の双方を踏まえて作成しています。
「がんと診断されたけど、どの病院を選んだら良いのか分からない…」「名医に診てもらうにはどうしたら良いのか?」等のお悩みをお持ちの方の、いささかなりともお役に立つことが出来れば幸いです。
千葉県の膀胱がん治療実績ランキングから何を見る?
千葉県の膀胱がん治療実績上位病院は下記のとおりです。
<千葉県の膀胱がん治療実績トップ3病院>
順位・病院名 治療実績(うち手術有・無) |
第1位 総合病院国保旭中央病院 治療実績:334件(手術有:250件 無:84件) |
第2位 国立がん研究センター東病院 治療実績:308件(手術有:208件 無:100件) |
第3位 東京慈恵会医科大学附属柏病院 治療実績:289件(手術有:214件 無:75件) |
参考1 関東トップ3病院平均 治療実績:274件(手術有:187件 無:88件) |
参考2 47都道府県トップ3病院平均 治療実績:204件(手術有:147件 無:57件) |
※治療実績の多い順にランキングを行っています。
千葉県では、国保旭中央病院がトップで、国立がん研究センター東病院、東京慈恵会医科大学附属柏病院、亀田総合病院と続きます。
上位3病院の平均実績は310件で、関東エリアの平均、全国平均実績を上回っており、症例数が200を超える病院が7病院あります。
通常、膀胱癌の患者数は500床クラスの病院でも年間50~100例程度ですので、これを超える症例数であることは、他院からの紹介があることを意味しており、紹介が多いということは、他施設の先生方から信頼を頂いているということを示しています。
千葉県は人口も多く、治療実績が100を超える病院が20以上もありますので、患者側にとっては選択出来る病院が数多くあると言えます。
※千葉県の4位以下の膀胱がん治療実績については、calooを参照ください。
WEBで簡単に千葉県のがん診療連携拠点病院を調べることが出来ます。
「千葉県内には病院は沢山あるので、どの病院に行ったら良いか分からない」と言う方は、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」で、千葉県のがん診療連携拠点病院を調べてみるのも一つの手です。
「がん情報サービス」のホームページを開くと、「相談先・病院を探す」と言うボタンがありますので、それをクリックします。
次に「病名・対応状況で絞り込む」をクリックし、病名から「腎盂尿管がん・膀胱がん」を、地域から「千葉県」を選択し、最後に「対応状況で絞り込む」から、希望する条件を入れて下さい。
ここでは「対応状況で絞り込む」の中から「手術」と言う条件で検索した結果をご案内します。
「腎盂尿管がん・膀胱がん」「千葉県」「手術」で検索をした結果、国立がん研究センター東病院や千葉県がんセンターなど14病院が表示されます。 下記にその14病院を掲載しますので、参照ください。
<千葉県の膀胱がん病院検索> 「腎盂尿管がん・膀胱がん」「千葉県」「手術」で検索した結果 |
●国立がん研究センター東病院 国立がん研究センター がんゲノム医療中核拠点病院 |
●千葉県がんセンター 都道府県がん診療連携拠点病院 特定のがん種等についての診療を行う連携病院 がんゲノム医療拠点病院 |
●千葉医療センター 地域がん診療連携拠点病院 |
●千葉大学医学部附属病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療連係病院 |
●東京歯科大学市川総合病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●船橋市立医療センター 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●君津中央病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●松戸市立総合医療センター 地域がん診療連携拠点病院 |
●旭中央病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●東京慈恵会医科大学附属柏病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●千葉労災病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●亀田総合病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●順天堂大学医学部附属浦安病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●日本医科大学千葉北総病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 |
●成田赤十字病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 |
膀胱の摘除が必要と言われたが、膀胱を摘除したくないと言う方へ
病院選びの基準の一つに、通いやすさが挙げられますが、膀胱がんのより高度な医療や名医と言われる医師による診療を希望して、遠方(千葉県外)の病院で治療を受ける方もいらっしゃいます。
中でも多いのが、膀胱摘除の必要があると言われたけれども、「どうしても膀胱を摘除したくない」と言ったケースです。こうしたケースでも、膀胱を摘除せずに治療を行える可能性があります。
大阪医科薬科大学で行われている膀胱温存療法は、「抗癌剤動脈内投与+血液透析(極めて高濃度の抗癌剤を膀胱周囲組織に限局的に投与することが可能)+放射線照射を組み合わせた独自の集学的治療法」で、多くの患者さんを膀胱摘出することなく、また、通常の化学療法にみられる骨髄抑制や、消化管障害などの副作用を殆ど認めることなく、癌を完治させる画期的な治療法です。
詳しくは、「大阪医大式膀胱温存療法(OMC-regimen)」をご覧ください。
名医に教えていただいた病院・医者選びのポイント
管理人である私自身も家族が癌と診断された際の病院選びで悩みました。
その時に名医の先生に伺った「地方に住んでいる人の病院選び」「診療数が多い病院だと何が良いのか?」「名医に診てもらいたいと言えば希望は叶うのか?」等の質問に対する回答をまとめました。
名医にたどり着くためのルートについて
「どうすれば名医と言われる先生に診てもらえるのか?」と思っていらっしゃる方も多いことと思いますので、名医に診てもらうための一般的な方法や断られるケース等についてまとめてみました。
また、名医ご本人に「どういうルートで先生のところに紹介が来ますか?」と言う質問にもお答えいただきました。詳細については、下記のリンクを参照ください。
<参考リンク>
病院のホームページのここを見る!
がんの名医の先生にお話を伺ったところ、自分が癌の治療をする病院を選ぶとすれば、次の3つの要素①症例数が多いこと ②経験豊富な医師がいる病院 ③治療の選択肢が多いこと(最新の医療、臓器温存療法、副作用の少ない治療など)を重視すると仰っていました。
下記に千葉県の治療実績数の上位病院の治療方針(抜粋)、専門医の属性を掲載しておきますので、皆様も上記の3つの視点で病院のホームページをご覧になってみては如何でしょうか。
<病院のホームページより>
●国立がん研究センター東病院 国立がん研究センター東病院の膀胱がん診療の特徴(抜粋) 私たちは泌尿器科がんに対してロボット支援手術、腹腔鏡(ふくくうきょう)手術、ミニマム創内視鏡手術の3つの低侵襲手術から手術、薬剤、放射線を組み合わせた集学的治療まで、患者さん一人一人に応じた適切な治療を提供できるように研鑽を積んでいます。病気について、わからないことや不安な点について、お気軽に質問されてください。当院でのセカンドオピニオンも積極的に行っております。 国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科は、尿路(腎盂(じんう)、尿管、膀胱)・精路(精巣上体、精管、精嚢(せいのう))のすべての腫瘍を担当する診療科です。さらに、内分泌臓器である副腎、臓器から発生するがんとは異なる肉腫(後腹膜)も担当しています。排尿・勃起・射精に関連する臓器を扱うため、根治性とともに生活の質(QOL:Quality of Life)を常に意識した外科治療を行っています。 ※国立がん研究センター東病院の公式サイトでご確認ください。 主な専門医 増田均(泌尿器・後腹膜腫瘍科長) 昭和60年 東京医科歯科大学卒 専門医・認定医資格など: 日本泌尿器科学会 専門医・指導医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本泌尿器内視鏡学会認定 泌尿器ロボット支援手術(前立腺、腎、膀胱)プロクター(手術指導医) Da Vinci Xi術者認定資格 (surgeon certificate) 日本ロボット外科学会認定 ロボット専門医 国際A級ライセンス 国内A級ライセンス 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医 腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創内視鏡下手術)練達医、施設基準医 日本排尿機能学会認定医 日本Men’s Health医学会 評議員 日本消化器病学会 再生医療研究推進委員会メンバー 東京医科歯科大学医学部 臨床教授 身体障害者福祉法指定医(膀胱又は直腸機能障害) がん治療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了 泌尿器がんに対する低侵襲手術の研鑽に励んでいます。個々の患者さんに応じた安心、安全、適切な治療を決めるために、親切かつ丁寧な診療を心がけています。疑問に思うことは、遠慮無くお声がけください。我々は、患者さんと共にがんと戦うチームです。 |
信頼性の高いサイトから情報を収集することが大切
ネット上には癌に関する情報が無数にあり、その中にはがん患者にとって有益とは言えないものも多数含まれています。
言わずもがなですが、信頼できる情報源から情報を得ることがとても大切です。
各地方公共団体では、がんに関する情報を積極的に発信しており、千葉県でも県のホームページに「千葉県のがん対策」と言うページを設けています。
がんに罹った場合の支援制度やがんの相談窓口等に関する情報が掲載されていますので、必要に応じて活用されると良いと思います。
また、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」もありますので、そちらも併せて参照されてみては如何でしょうか。
がん情報サービス(国立がん研究センターが運営する公式サイト)
(了)