このページは、がん患者を家族に持つ管理人が、がんの名医から教えていただいた事柄を中心に、名医の視点・患者の視点の双方を踏まえて作成しています。
「がんと診断されたけど、どの病院を選んだら良いのか分からない…」「名医に診てもらうにはどうしたら良いのか?」等のお悩みをお持ちの方の、いささかなりともお役に立つことが出来れば幸いです。
北海道の膀胱がん治療実績ランキングから何を見る?
北海道の膀胱がん治療実績上位病院は下記のとおりです。
<北海道の膀胱がん治療実績トップ3病院>
順位・病院名 治療実績(うち手術有・無) |
第1位 三樹会泌尿器科病院 治療実績:377件(手術有:316件 無:61件) |
第2位 手稲渓仁会病院 治療実績:259件(手術有:209件 無:50件) |
第3位 北腎会 坂泌尿器科病院 治療実績:253件(手術有:235件 無:18件) |
参考1 北海道・東北トップ3病院平均 治療実績:184件(手術有:133件 無:51件) |
参考2 47都道府県トップ3病院平均 治療実績:204件(手術有:147件 無:57件) |
※治療実績の多い順にランキングを行っています。
三樹会泌尿器科病院が377件とトップですが、上位3病院の実績を見ると、エリア平均、全国平均実績のいずれも上回っています。
通常、膀胱癌の患者数は500床クラスの病院でも年間50~100例程度ですので、これを超える症例数であることは、他院からの紹介があることを意味しており、紹介が多いということは、他施設の先生方から信頼を頂いているということを示しています。
北海道には、この他にも治療実績が100を超える病院が多くあることから、患者側にとっては選択出来る病院は数多くあると言えます。
WEBで簡単に北海道のがん診療連携拠点病院を調べることが出来ます。
「北海道内にも病院は沢山あるので、どの病院に行ったら良いか分からない」と言う方は、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」で、北海道のがん診療連携拠点病院を調べてみるのも一つの手です。
「がん情報サービス」のホームページを開くと、「相談先・病院を探す」と言うボタンがありますので、それをクリックします。
次に「病名・対応状況で絞り込む」をクリックし、病名から「腎盂尿管がん・膀胱がん」を、地域から「北海道」を選択し、最後に「対応状況で絞り込む」から、希望する条件を入れて下さい。
ここでは「対応状況で絞り込む」の中から「手術」と言う条件で検索した結果をご案内します。
「腎盂尿管がん・膀胱がん」「北海道」「手術」で検索をした結果、北海道がんセンターや北海道大学病院など22病院がヒットします。 下記にその22病院を掲載しますので、参照ください。
<北海道の膀胱がん病院検索> 「腎盂尿管がん・膀胱がん」「北海道」「手術」で検索をした結果 |
●市立札幌病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●札幌医科大学附属病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療拠点病院 |
●札幌厚生病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●北海道大学病院 地域がん診療連携拠点病院 小児がん拠点病院 がんゲノム医療中核拠点病院 |
●北海道がんセンター 都道府県がん診療連携拠点病院 特定のがん種等についての診療を行う連係病院 がんゲノム医療連係病院 |
●恵佑会札幌病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●KKR札幌医療センター 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●手稲渓仁会病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●市立函館病院 地域がん診療連携拠点病院 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院 |
●函館五稜郭病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●小樽市立病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●旭川厚生病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●旭川医科大学病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療連携病院 |
●市立旭川病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●日鋼記念病院 地域がん診療連携拠点病院 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院 |
●市立釧路総合病院 地域がん診療連携拠点病院 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院 |
●釧路労災病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●帯広厚生病院 地域がん診療連携拠点病院(特例型) 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院 |
●北見赤十字病院 地域がん診療連携拠点病院 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院 |
●北海道中央労災病院 地域がん診療病院 |
●王子総合病院 地域がん診療連携拠点病院(特例型) |
●砂川市立病院 地域がん診療連携拠点病院 |
名医に教えていただいた病院・医者選びのポイント
管理人である私自身も家族が癌と診断された際の病院選びで悩みました。
その時に名医の先生に伺った「地方に住んでいる人の病院選び」「診療数が多い病院だと何が良いのか?」「名医に診てもらいたいと言えば希望は叶うのか?」等の質問に対する回答をまとめました。
より難易度の高い治療が必要な場合
病院選びの基準の一つに、通いやすさが挙げられますが、膀胱がんのより高度な医療や名医と言われる医師による診療を希望して、遠方(北海道外)の病院で治療を受ける方もいらっしゃいます。
中でも多いのが、膀胱摘除の必要があると言われたけれども、「どうしても膀胱を摘除したくない」と言ったケースです。
上記の悩みをお持ちの方は、大阪医科薬科大学で行っている「OMC方式化学療法」を参照下さい。下記のリンクよりご覧いただけます。
膀胱を摘出せずに膀胱がんの治癒を目指す「大阪医科薬科大学式膀胱温存療法」について
名医にたどり着くためのルートについて
「どうすれば名医と言われる先生に診てもらえるのか?」と思っていらっしゃる方も多いことと思いますので、名医に診てもらうための一般的な方法や断られるケース等についてまとめてみました。
また、名医ご本人に「どういうルートで先生のところに紹介が来ますか?」と言う質問にもお答えいただきました。詳細については、下記のリンクを参照ください。
病院のホームページのここを見る!
がんの名医の先生にお話を伺ったところ、自分が癌の治療をする病院を選ぶとすれば、次の3つの要素①症例数が多いこと ②経験豊富な医師がいる病院 ③治療の選択肢が多いこと(最新の医療、臓器温存療法、副作用の少ない治療など)を重視すると仰っていました。
下記に北海道の治療実績数の上位病院の治療方針(抜粋)、専門医の属性を掲載しておきますので、皆様も上記の3つの視点で病院のホームページをご覧になってみては如何でしょうか。
<病院のホームページより>
●三樹会泌尿器科病院 治療方針(抜粋) 浸潤性膀胱癌に対する治療 膀胱の壁の深く(筋層)に根をはるように発育する癌を浸潤性膀胱癌といいます。細胞の悪性度が高いものが多く、浸潤の程度がひどくなればなるほど、リンパ節転移や他臓器への転移の頻度は上昇し、予後も悪くなります。 転移がない浸潤性膀胱癌に対する標準的治療法は膀胱をすべて摘出する膀胱全摘除術です。膀胱を摘出すると尿を体外に導くための新しい通り道を作る尿路変更術が同時に必要となります。 また手術前にCT検査や骨シンチグラフィーなどで転移が指摘できなくても、手術後に転移が出現することもありますので、転移が有る場合には、3~4種類の抗癌剤を組み合わせたM-VAC療法などの化学療法が行われる場合があります。病気の状態によっては、膀胱全摘除術、化学療法、放射線療法などを組み合わせて行うことがあります。 ※詳しくは三樹会泌尿器科病院の公式サイトでご確認ください。 主な専門医 佐藤嘉一 医師(理事長・院長) <経歴> 1986(昭和61)年 札幌医科大学卒業 1997~2000年 アルバート・アインシュタイン大学(NY)留学 札幌医科大学臨床教授 日本性機能学会 副理事長 日本Men’s Health医学会 理事 International Society for Sexual Medicine 理事(Members at large) 日本泌尿器科学会 専門医、指導医 日本泌尿器科学会・日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡) 日本がん治療認定医機構 暫定教育医 <専門分野> 泌尿器科全般 悪性腫瘍(腎がん・前立腺がん・膀胱がん)の手術と研究 腹腔鏡手術 女性泌尿器科 男性性機能障害、男性更年期障害、勃起不全(ED) 体外衝撃波(ESWL)による尿路結石治療 本間一也 医師(泌尿器がん薬剤治療センター長) <経歴> 1996(平成8)年 札幌医科大学卒業 2008(平成20)年 札幌医科大学院博士課程卒業 日本泌尿器科学会 専門医、指導医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会 修了 日本内視鏡外科学会 技術認定医(泌尿器腹腔鏡) 日本泌尿器内視鏡・ロボティックス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医 <専門分野> 泌尿器科全般 泌尿器がんの手術 腎細胞がんに対する分子標的治療薬による治療 尿路上皮癌に対するワクチン療法 軟性鏡による経尿道的砕石術(f-TUL) |
<参考リンク>
最後に…信頼性の高いサイトから情報を収集することが大切
ネット上には癌に関する情報が無数にあり、その中にはがん患者にとって有益とは言えないものも多数含まれています。
言わずもがなですが、信頼できる情報源から情報を得ることがとても大切です。
各地方公共団体では、がんに関する情報を積極的に発信しており、北海道でも道のホームページに「北海道のがん対策」と言うページを設けています。
がんに罹った場合の支援制度やがんの相談窓口等に関する情報が掲載されていますので、必要に応じて活用されると良いと思います。
また、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」もありますので、そちらも併せて参照されてみては如何でしょうか。
がん情報サービス(国立がん研究センターが運営する公式サイト)
(了)