このページは、がん患者を家族に持つ管理人が、がんの名医から教えていただいた事柄を中心に、名医の視点・患者の視点の双方を踏まえて作成しています。
「がんと診断されたけど、どの病院を選んだら良いのか分からない…」「名医に診てもらうにはどうしたら良いのか?」等のお悩みをお持ちの方の、いささかなりともお役に立つことが出来れば幸いです。
鳥取県の膀胱がん治療実績ランキングから何を見る?
鳥取県の膀胱がん治療実績上位病院は下記のとおりです。
<鳥取県の膀胱がん治療実績トップ3病院>
順位・病院名 治療実績(うち手術有・無) |
第1位 鳥取大学医学部附属病院 治療実績:236件(手術有:146件 無:90件) |
第2位 鳥取赤十字病院 治療実績:116件(手術有:90件 無:26件) |
第3位 鳥取県立中央病院 治療実績:113件(手術有:81件 無:32件) |
参考1 中国トップ3病院平均 治療実績:181件(手術有:142件 無:39件) |
参考2 47都道府県トップ3病院平均 治療実績:204件(手術有:147件 無:57件) |
※治療実績の多い順にランキングを行っています。
鳥取県では、鳥取大学医学部附属病院がトップで、鳥取赤十字病院、鳥取県立中央病院、鳥取市立病院と続きます。
上位3病院の平均実績は155件で、中国エリアの平均、全国平均実績よりもかなり少ない状況です。症例数が100を超える病院が3病院、50を超える病院は5病院あります。
通常、膀胱癌の患者数は500床クラスの病院でも年間50~100例程度ですので、これを超える症例数であることは、他院からの紹介があることを意味しており、紹介が多いということは、他施設の先生方から信頼を頂いているということを示しています。
そうした意味で、鳥取県は患者側にとって病院の選択肢は少ない状況にあると言えます。
※鳥取県の4位以下の膀胱がん治療実績については、calooを参照ください。
WEBで簡単に鳥取県のがん診療連携拠点病院を調べることが出来ます。
「鳥取県内にも病院は沢山あるので、どの病院に行ったら良いか分からない」と言う方は、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」で、鳥取県のがん診療連携拠点病院を調べてみるのも一つの手です。
「がん情報サービス」のホームページを開くと、「相談先・病院を探す」と言うボタンがありますので、それをクリックします。
次に「病名・対応状況で絞り込む」をクリックし、病名から「腎盂尿管がん・膀胱がん」を、地域から「鳥取県」を選択し、最後に「対応状況で絞り込む」から、希望する条件を入れて下さい。
ここでは「対応状況で絞り込む」の中から「手術」と言う条件で検索した結果をご案内します。
「腎盂尿管がん・膀胱がん」「鳥取県」「手術」で検索をした結果、鳥取大学医学部附属病院や鳥取県立中央病院など3病院が表示されます。 下記にその3病院を掲載しますので、参照ください。
<鳥取県の膀胱がん病院検索> 「腎盂尿管がん・膀胱がん」「鳥取県」「手術」で検索した結果 |
●鳥取県立中央病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●鳥取大学医学部附属病院 都道府県がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療連携病院 |
●鳥取県立厚生病院 地域がん診療連携拠点病院 |
膀胱の摘除が必要と言われたが、膀胱を摘除したくないと言う方へ
病院選びの基準の一つに、通いやすさが挙げられますが、膀胱がんのより高度な医療や名医と言われる医師による診療を希望して、遠方(鳥取県外)の病院で治療を受ける方もいらっしゃいます。
中でも多いのが、膀胱摘除の必要があると言われたけれども、「どうしても膀胱を摘除したくない」と言ったケースです。こうしたケースでも、膀胱を摘除せずに治療を行える可能性があります。
大阪医科薬科大学で行われている膀胱温存療法は、「抗癌剤動脈内投与+血液透析(極めて高濃度の抗癌剤を膀胱周囲組織に限局的に投与することが可能)+放射線照射を組み合わせた独自の集学的治療法」で、多くの患者さんを膀胱摘出することなく、また、通常の化学療法にみられる骨髄抑制や、消化管障害などの副作用を殆ど認めることなく、癌を完治させる画期的な治療法です。
詳しくは、「大阪医大式膀胱温存療法(OMC-regimen)」をご覧ください。
名医に教えていただいた病院・医者選びのポイント
管理人である私自身も家族が癌と診断された際の病院選びで悩みました。
その時に名医の先生に伺った「地方に住んでいる人の病院選び」「診療数が多い病院だと何が良いのか?」「名医に診てもらいたいと言えば希望は叶うのか?」等の質問に対する回答をまとめました。
名医にたどり着くためのルートについて
「どうすれば名医と言われる先生に診てもらえるのか?」と思っていらっしゃる方も多いことと思いますので、名医に診てもらうための一般的な方法や断られるケース等についてまとめてみました。
また、名医ご本人に「どういうルートで先生のところに紹介が来ますか?」と言う質問にもお答えいただきました。詳細については、下記のリンクを参照ください。
<参考リンク>
病院のホームページのここを見る!
がんの名医の先生にお話を伺ったところ、自分が癌の治療をする病院を選ぶとすれば、次の3つの要素①症例数が多いこと ②経験豊富な医師がいる病院 ③治療の選択肢が多いこと(最新の医療、臓器温存療法、副作用の少ない治療など)を重視すると仰っていました。
下記に鳥取県の治療実績数の上位病院の治療方針(抜粋)、専門医の属性を掲載しておきますので、皆様も上記の3つの視点で病院のホームページをご覧になってみては如何でしょうか。
<病院のホームページより>
●鳥取大学医学部附属病院 泌尿器科診療内容(抜粋) 低侵襲手術への取り組み 悪性腫瘍に対しては癌の根治性と手術の低侵襲化を目指し、腎癌に対する腹腔鏡下腎摘除術あるいはロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術、腎盂尿管癌に対する腹腔鏡下腎尿管全摘術などの腹腔鏡手術や、前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を施行しています。 膀胱癌に対するロボット支援膀胱全摘除術は全国に先がけて実施し、良好な成績を得ています。 全国に先駆けたロボット手術の導入 手術支援ロボットのダビンチX、Xiの2台に加え、2022年4月から国産手術支援ロボットhinotori、2023年3月からはHugoを導入し、この4台を駆使し、ロボット手術を推進してきました。この4機種を保有するのは国内初になります。当科での症例数は1100例を越えています。前立腺癌については米国コーネル大学と性機能温存術式確立に関する共同研究を行ってきました。 新規抗癌剤や分子標的治療剤を使用した尿路性器癌に対する薬物療法 従来の抗癌剤に抵抗性を示す尿路上皮癌(腎盂尿管癌、膀胱癌)に対する化学療法、ホルモン抵抗性前立腺癌に対するドセタキセル、カバジタキセルを使用した化学療法、難治性精巣腫瘍に対する多剤併用化学療法、各種分子標的治療剤よる進行性腎細胞癌の治療に積極的に取り組んでいます。又、膀胱癌、腎癌に対する免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療も積極的に行っています。又、2020年からは、遺伝子診療科と協力し、がん遺伝子に関する治療も行なっています。 ※詳しくは鳥取大学医学部附属病院の公式サイトでご確認ください。 |
信頼性の高いサイトから情報を収集することが大切
ネット上には癌に関する情報が無数にあり、その中にはがん患者にとって有益とは言えないものも多数含まれています。
言わずもがなですが、信頼できる情報源から情報を得ることがとても大切です。
各地方公共団体では、がんに関する情報を積極的に発信しており、鳥取県でも県のホームページに「鳥取県のがん対策」と言うページを設けています。
がんに罹った場合の支援制度やがんの相談窓口等に関する情報が掲載されていますので、必要に応じて活用されると良いと思います。
また、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」もありますので、そちらも併せて参照されてみては如何でしょうか。
がん情報サービス(国立がん研究センターが運営する公式サイト)
(了)