このページは、がん患者を家族に持つ管理人が、がんの名医から教えていただいた事柄を中心に、名医の視点・患者の視点の双方を踏まえて作成しています。
「がんと診断されたけど、どの病院を選んだら良いのか分からない…」「名医に診てもらうにはどうしたら良いのか?」等のお悩みをお持ちの方の、いささかなりともお役に立つことが出来れば幸いです。
京都府の膀胱がん治療実績ランキングから何を見る?
京都府の膀胱がん治療実績上位病院は下記のとおりです。
<京都府の膀胱がん治療実績トップ3病院>
順位・病院名 治療実績(うち手術有・無) |
第1位 京都大学医学部附属病院 治療実績:158件(手術有:123件 無:35件) |
第2位 京都市立病院 治療実績:156件(手術有:137件 無:19件) |
第3位 京都第二赤十字病院 治療実績:150件(手術有:121件 無:29件) |
参考1 近畿トップ3病院平均 治療実績:221件(手術有:165件 無:56件) |
参考2 47都道府県トップ3病院平均 治療実績:204件(手術有:147件 無:57件) |
※治療実績の多い順にランキングを行っています。
京都府では、京都大学医学部附属病院がトップで、京都市立病院、京都第二赤十字病院、京都医療センターと続きます。
上位3病院の平均実績は155件で、近畿エリア、全国平均実績のいずれも下回っており、症例数が100を超える病院が8病院、50を超える病院は18病院あります。
通常、膀胱癌の患者数は500床クラスの病院でも年間50~100例程度ですので、これを超える症例数であることは、他院からの紹介があることを意味しており、紹介が多いということは、他施設の先生方から信頼を頂いているということを示しています。
そうした意味で、京都府は患者側にとって病院の選択肢はやや少ないと言えます。
※京都府の4位以下の膀胱がん治療実績については、calooを参照ください。
WEBで簡単に京都府のがん診療連携拠点病院を調べることが出来ます。
「京都府内には病院は沢山あるので、どの病院に行ったら良いか分からない」と言う方は、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」で、京都府のがん診療連携拠点病院を調べてみるのも一つの手です。
「がん情報サービス」のホームページを開くと、「相談先・病院を探す」と言うボタンがありますので、それをクリックします。
次に「病名・対応状況で絞り込む」をクリックし、病名から「腎盂尿管がん・膀胱がん」を、地域から「京都府」を選択し、最後に「対応状況で絞り込む」から、希望する条件を入れて下さい。
ここでは「対応状況で絞り込む」の中から「手術」と言う条件で検索した結果をご案内します。
「腎盂尿管がん・膀胱がん」「京都府」「手術」で検索をした結果、京都府立医科大学附属病院や京都大学医学部附属病院 など13病院が表示されます。 下記にその13病院を掲載しますので、参照ください。
<京都府の膀胱がん病院検索> 「腎盂尿管がん・膀胱がん」「京都府」「手術」で検索した結果 |
●京都岡本記念病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●京都府立医科大学附属病院 都道府県がん診療連携拠点病院 小児がん拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●京都第二赤十字病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●京都大学医学部附属病院 都道府県がん診療連携拠点病院 小児がん拠点病院 がんゲノム医療中核拠点病院 |
●京都市立病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療連携病院 |
●京都第一赤十字病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●京都医療センター 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連係病院 |
●京都桂病院 地域がん診療連携拠点病院 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院 がんゲノム医療連携病院 |
●市立福知山市民病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●宇治徳洲会病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●京都中部総合医療センター 地域がん診療病院 |
●京都山城総合医療センター 地域がん診療病院 |
●京都府立医科大学附属北部医療センター 地域がん診療連携拠点病院 |
膀胱の摘除が必要と言われたが、膀胱を摘除したくないと言う方へ
病院選びの基準の一つに、通いやすさが挙げられますが、膀胱がんのより高度な医療や名医と言われる医師による診療を希望して、他の病院で治療やセカンドオピニオンを受ける方もいらっしゃいます。
中でも多いのが、膀胱摘除の必要があると言われたけれども、「どうしても膀胱を摘除したくない」と言ったケースです。こうしたケースでも、膀胱を摘除せずに治療を行える可能性があります。
大阪医科薬科大学で行われている膀胱温存療法は、「抗癌剤動脈内投与+血液透析(極めて高濃度の抗癌剤を膀胱周囲組織に限局的に投与することが可能)+放射線照射を組み合わせた独自の集学的治療法」で、多くの患者さんを膀胱摘出することなく、また、通常の化学療法にみられる骨髄抑制や、消化管障害などの副作用を殆ど認めることなく、癌を完治させる画期的な治療法です。
詳しくは、「大阪医大式膀胱温存療法(OMC-regimen)」をご覧ください。
名医に教えていただいた病院・医者選びのポイント
管理人である私自身も家族が癌と診断された際の病院選びで悩みました。
その時に名医の先生に伺った「地方に住んでいる人の病院選び」「診療数が多い病院だと何が良いのか?」「名医に診てもらいたいと言えば希望は叶うのか?」等の質問に対する回答をまとめました。
名医にたどり着くためのルートについて
「どうすれば名医と言われる先生に診てもらえるのか?」と思っていらっしゃる方も多いことと思いますので、名医に診てもらうための一般的な方法や断られるケース等についてまとめてみました。
また、名医ご本人に「どういうルートで先生のところに紹介が来ますか?」と言う質問にもお答えいただきました。詳細については、下記のリンクを参照ください。
<参考リンク>
病院のホームページのここを見る!
がんの名医の先生にお話を伺ったところ、自分が癌の治療をする病院を選ぶとすれば、次の3つの要素①症例数が多いこと ②経験豊富な医師がいる病院 ③治療の選択肢が多いこと(最新の医療、臓器温存療法、副作用の少ない治療など)を重視すると仰っていました。
下記に京都府の治療実績数の上位病院の治療方針(抜粋)、専門医の属性を掲載しておきますので、皆様も上記の3つの視点で病院のホームページをご覧になってみては如何でしょうか。
<病院のホームページより>
●京都大学医学部附属病院 世界トップレベルの標準・高度医療を安全性高く提供 ●科長 ・教授 / 小林 恭 Prof. Kobayashi Takashi 診療科等のご案内 泌尿器科がんに対してQOLを考えた低侵襲手術を重視し、さらに、外科的手術のみならず、放射線治療や新規抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬治療などを組み合わせた集学的治療プロトコールを確立することで、他施設では治療が困難な患者さんにも積極的に対応しています。また、排尿障害、小児泌尿器、腎移植に対しては専門外来を設置し、さまざまな臨床試験に取り組むとともに、安全で患者さんに優しい医療をめざしています。 ※詳しくは京都大学医学部附属病院の公式サイトでご確認ください。 |
信頼性の高いサイトから情報を収集することが大切
ネット上には癌に関する情報が無数にあり、その中にはがん患者にとって有益とは言えないものも多数含まれています。
言わずもがなですが、信頼できる情報源から情報を得ることがとても大切です。
各地方公共団体では、がんに関する情報を積極的に発信しており、京都府でも府のホームページに「京都府のがん対策」と言うページを設けています。
がんに罹った場合の支援制度やがんの相談窓口等に関する情報が掲載されていますので、必要に応じて活用されると良いと思います。
また、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」もありますので、そちらも併せて参照されてみては如何でしょうか。
がん情報サービス(国立がん研究センターが運営する公式サイト)
(了)