このページは、がん患者を家族に持つ管理人が、がんの名医から教えていただいた事柄を中心に、名医の視点・患者の視点の双方を踏まえて作成しています。
「がんと診断されたけど、どの病院を選んだら良いのか分からない…」「名医に診てもらうにはどうしたら良いのか?」等のお悩みをお持ちの方の、いささかなりともお役に立つことが出来れば幸いです。
広島県の膀胱がん治療実績ランキングから何を見る?
広島県の膀胱がん治療実績上位病院は下記のとおりです。
<広島県の膀胱がん治療実績トップ3病院>
順位・病院名 治療実績(うち手術有・無) |
第1位 広島市立広島市民病院 治療実績:282件(手術有:240件 無:42件) |
第2位 廣島総合病院 治療実績:240件(手術有:208件 無:32件) |
第3位 安佐市民病院 治療実績:223件(手術有:194件 無:29件) |
参考1 中国トップ3病院平均 治療実績:181件(手術有:142件 無:39件) |
参考2 47都道府県トップ3病院平均 治療実績:204件(手術有:147件 無:57件) |
※治療実績の多い順にランキングを行っています。
広島県では、広島市立広島市民病院がトップで、廣島総合病院、安佐市民病院、福山市民病院と続きます。
上位3病院の平均実績は248件で、中国エリアの平均、全国平均実績を上回っており、症例数が100を超える病院が13病院、50を超える病院は20病院あります。
通常、膀胱癌の患者数は500床クラスの病院でも年間50~100例程度ですので、これを超える症例数であることは、他院からの紹介があることを意味しており、紹介が多いということは、他施設の先生方から信頼を頂いているということを示しています。
そうした意味で、広島県は患者側にとって比較的多くの病院から選択出来る状況にあると言えます。
※広島県の4位以下の膀胱がん治療実績については、calooを参照ください。
WEBで簡単に広島県のがん診療連携拠点病院を調べることが出来ます。
「広島県内には病院は沢山あるので、どの病院に行ったら良いか分からない」と言う方は、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」で、広島県のがん診療連携拠点病院を調べてみるのも一つの手です。
「がん情報サービス」のホームページを開くと、「相談先・病院を探す」と言うボタンがありますので、それをクリックします。
次に「病名・対応状況で絞り込む」をクリックし、病名から「腎盂尿管がん・膀胱がん」を、地域から「広島県」を選択し、最後に「対応状況で絞り込む」から、希望する条件を入れて下さい。
ここでは「対応状況で絞り込む」の中から「手術」と言う条件で検索した結果をご案内します。
「腎盂尿管がん・膀胱がん」「広島県」「手術」で検索をした結果、広島赤十字・原爆病院や広島大学病院など12病院が表示されます。 下記にその12病院を掲載しますので、参照ください。
<広島県の膀胱がん病院検索> 「腎盂尿管がん・膀胱がん」「広島県」「手術」で検索した結果 |
●広島市立広島市民病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●広島赤十字・原爆病院 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 がんゲノム医療連携病院 |
●広島大学病院 都道府県がん診療連携拠点病院 小児がん拠点病院 がんゲノム医療拠点病院 |
●県立広島病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●広島市立北部医療センター安佐市民病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●呉医療センター 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●尾道総合病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●福山市民病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●福山医療センター 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●市立三次中央病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●東広島医療センター 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●廣島総合病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
膀胱の摘除が必要と言われたが、膀胱を摘除したくないと言う方へ
病院選びの基準の一つに、通いやすさが挙げられますが、膀胱がんのより高度な医療や名医と言われる医師による診療を希望して、遠方(広島県外)の病院で治療を受ける方もいらっしゃいます。
中でも多いのが、膀胱摘除の必要があると言われたけれども、「どうしても膀胱を摘除したくない」と言ったケースです。こうしたケースでも、膀胱を摘除せずに治療を行える可能性があります。
大阪医科薬科大学で行われている膀胱温存療法は、「抗癌剤動脈内投与+血液透析(極めて高濃度の抗癌剤を膀胱周囲組織に限局的に投与することが可能)+放射線照射を組み合わせた独自の集学的治療法」で、多くの患者さんを膀胱摘出することなく、また、通常の化学療法にみられる骨髄抑制や、消化管障害などの副作用を殆ど認めることなく、癌を完治させる画期的な治療法です。
詳しくは、「大阪医大式膀胱温存療法(OMC-regimen)」をご覧ください。
名医に教えていただいた病院・医者選びのポイント
管理人である私自身も家族が癌と診断された際の病院選びで悩みました。
その時に名医の先生に伺った「地方に住んでいる人の病院選び」「診療数が多い病院だと何が良いのか?」「名医に診てもらいたいと言えば希望は叶うのか?」等の質問に対する回答をまとめました。
名医にたどり着くためのルートについて
「どうすれば名医と言われる先生に診てもらえるのか?」と思っていらっしゃる方も多いことと思いますので、名医に診てもらうための一般的な方法や断られるケース等についてまとめてみました。
また、名医ご本人に「どういうルートで先生のところに紹介が来ますか?」と言う質問にもお答えいただきました。詳細については、下記のリンクを参照ください。
<参考リンク>
病院のホームページのここを見る!
がんの名医の先生にお話を伺ったところ、自分が癌の治療をする病院を選ぶとすれば、次の3つの要素①症例数が多いこと ②経験豊富な医師がいる病院 ③治療の選択肢が多いこと(最新の医療、臓器温存療法、副作用の少ない治療など)を重視すると仰っていました。
下記に広島県の治療実績数の上位病院の治療方針(抜粋)、専門医の属性を掲載しておきますので、皆様も上記の3つの視点で病院のホームページをご覧になってみては如何でしょうか。
<病院のホームページより>
●広島市立広島市民病院 泌尿器科について(抜粋) 当科は、腎、尿管、膀胱、尿道の尿路系(尿の流れる部分)および前立腺、精巣、陰茎(男性生殖 器と称します)、そして副腎という内分泌臓器(ホルモンを分泌する臓器)、さらには後腹膜(腹膜 に包まれた腸の裏にある場所)に発生する疾患を取り扱っています。腎臓癌、膀胱癌や前立腺癌などの悪性腫瘍から前立腺肥大症や尿路結石、尿失禁などの良性疾患まで、外科的治療を中 心に診療を行っています。癌拠点病院という性格上、悪性腫瘍疾患の占める割合が多く、その治 療成績向上に全力を注いでいます。 当科は年間約1,000例手術件数をこなしており、全国有数の施設の一つであるとともに、近年進歩している低侵襲治療である体腔鏡 手術などの最新医療技術も積極的に取り入れ、さらには2012年9月からは手術用ロボットDa v inciを導入しており、全国でもっとも数多くロボット手術を行っている施設の一つです。 ※詳しくは広島市民病院の公式サイトでご確認ください。 |
信頼性の高いサイトから情報を収集することが大切
ネット上には癌に関する情報が無数にあり、その中にはがん患者にとって有益とは言えないものも多数含まれています。
言わずもがなですが、信頼できる情報源から情報を得ることがとても大切です。
各地方公共団体では、がんに関する情報を積極的に発信しており、広島県でも県のホームページに「広島がんネット」と言うページを設けています。
がんに罹った場合の支援制度やがんの相談窓口等に関する情報が掲載されていますので、必要に応じて活用されると良いと思います。
また、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」もありますので、そちらも併せて参照されてみては如何でしょうか。
がん情報サービス(国立がん研究センターが運営する公式サイト)
(了)