このページは、がん患者を家族に持つ管理人が、がんの名医から教えていただいた事柄を中心に、名医の視点・患者の視点の双方を踏まえて作成しています。
「がんと診断されたけど、どの病院を選んだら良いのか分からない…」「名医に診てもらうにはどうしたら良いのか?」等のお悩みをお持ちの方の、いささかなりともお役に立つことが出来れば幸いです。
熊本県の膀胱がん治療実績ランキングから何を見る?
熊本県の膀胱がん治療実績上位病院は下記のとおりです。
<熊本県の膀胱がん治療実績トップ3病院>
順位・病院名 治療実績(うち手術有・無) |
第1位 熊本医療センター 治療実績:278件(手術有:199件 無:79件) |
第2位 熊本中央病院 治療実績:219件(手術有:154件 無:65件) |
第3位 済生会熊本病院 治療実績:169件(手術有:139件 無:30件) |
参考1 九州・沖縄トップ3病院平均 治療実績:171件(手術有:122件 無:49件) |
参考2 47都道府県トップ3病院平均 治療実績:204件(手術有:147件 無:57件) |
※治療実績の多い順にランキングを行っています。
熊本県では、熊本医療センターがトップで、熊本中央病院、済生会熊本病院、熊本大学病院と続きます。
上位3病院の治療実績は222件で、エリア平均、全国平均実績とも上回っている状況で、症例数が100を超える病院が5病院、50を超える病院14病院あります。
通常、膀胱癌の患者数は500床クラスの病院でも年間50~100例程度ですので、これを超える症例数であることは、他院からの紹介があることを意味しており、紹介が多いということは、他施設の先生方から信頼を頂いているということを示しています。
そうした意味で、熊本県は患者側にとっては選択出来る病院が比較的多い状況と言えます。
※熊本県の4位以下の膀胱がん治療実績については、calooを参照ください。
WEBで簡単に熊本県のがん診療連携拠点病院を調べることが出来ます。
「熊本県内には病院は沢山あるので、どの病院に行ったら良いか分からない」と言う方は、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」で、熊本県のがん診療連携拠点病院を調べてみるのも一つの手です。
「がん情報サービス」のホームページを開くと、「相談先・病院を探す」と言うボタンがありますので、それをクリックします。
次に「病名・対応状況で絞り込む」をクリックし、病名から「腎盂尿管がん・膀胱がん」を、地域から「熊本県」を選択し、検索ボタンを押してください。
「腎盂尿管がん・膀胱がん」「熊本県」で検索をした結果、熊本医療センターや熊本大学病院など7病院がヒットします。 下記にその7病院を掲載しますので、参照ください。
<熊本県の膀胱がん病院検索> 「腎盂尿管がん・膀胱がん」「熊本県」で検索をした結果 |
●熊本大学病院 都道府県がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療拠点病院 |
●熊本医療センター 地域がん診療連携拠点病院 地域の小児がん診療を行う連携病院 |
●熊本赤十字病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●済生会熊本病院 地域がん診療連携拠点病院 がんゲノム医療連携病院 |
●熊本労災病院 地域がん診療連携拠点病院 |
●人吉医療センター 地域がん診療連携拠点病院(特例型) |
●荒尾市民病院 地域がん診療連携拠点病院 |
膀胱の摘除が必要と言われたが、膀胱を摘除したくないと言う方へ
病院選びの基準の一つに、通いやすさが挙げられますが、膀胱がんのより高度な医療や名医と言われる医師による診療を希望して、遠方(熊本県外)の病院で治療を受ける方もいらっしゃいます。
中でも多いのが、膀胱摘除の必要があると言われたけれども、「どうしても膀胱を摘除したくない」と言ったケースです。こうしたケースでも、膀胱を摘除せずに治療を行える可能性があります。
大阪医科薬科大学で行われている膀胱温存療法は、「抗癌剤動脈内投与+血液透析(極めて高濃度の抗癌剤を膀胱周囲組織に限局的に投与することが可能)+放射線照射を組み合わせた独自の集学的治療法」で、多くの患者さんを膀胱摘出することなく、また、通常の化学療法にみられる骨髄抑制や、消化管障害などの副作用を殆ど認めることなく、癌を完治させる画期的な治療法です。
詳しくは、「大阪医大式膀胱温存療法(OMC-regimen)」をご覧ください。
名医に教えていただいた病院・医者選びのポイント
管理人である私自身も家族が癌と診断された際の病院選びで悩みました。
その時に名医の先生に伺った「地方に住んでいる人の病院選び」「診療数が多い病院だと何が良いのか?」「名医に診てもらいたいと言えば希望は叶うのか?」等の質問に対する回答をまとめました。
名医にたどり着くためのルートについて
「どうすれば名医と言われる先生に診てもらえるのか?」と思っていらっしゃる方も多いことと思いますので、名医に診てもらうための一般的な方法や断られるケース等についてまとめてみました。
また、名医ご本人に「どういうルートで先生のところに紹介が来ますか?」と言う質問にもお答えいただきました。詳細については、下記のリンクを参照ください。
<参考リンク>
病院のホームページのここを見る!
がんの名医の先生にお話を伺ったところ、自分が癌の治療をする病院を選ぶとすれば、次の3つの要素①症例数が多いこと ②経験豊富な医師がいる病院 ③治療の選択肢が多いこと(最新の医療、臓器温存療法、副作用の少ない治療など)を重視すると仰っていました。
下記に熊本県の治療実績数の上位病院の治療方針(抜粋)、専門医の属性等を掲載しておきますので、皆様も上記の3つの視点で病院のホームページをご覧になってみては如何でしょうか。
<病院のホームページより>
●熊本医療センター 泌尿器科(抜粋) 尿潜血精査から尿路・性器悪性腫瘍、小児泌尿器科、尿失禁・下部尿路機能障害、男性不妊症まで泌尿器科全般の治療を行っています。特に、尿路・性器腫瘍(腎細胞癌、腎盂・尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌)の治療には力を入れており、膀胱がんを中心とした尿路上皮腫瘍は症例数、手術数においても国内有数です。 スタッフ紹介 統括診療部長、地域医療連携センター長、泌尿器科部長 菊川 浩明 医師免許取得:平成2年 専門医、所属学会など 熊本大学大学院 医学博士 日本泌尿器科学会認定指導医・専門医 日本泌尿器科学会評議員 身体障害者福祉法認定医(膀胱) 日本がん治療認定医機構暫定教育医 熊本大学医学部 臨床教授 厚生労働省緩和ケア研修修了 APRIN e-ラーニングプログラム修了 ※詳しくは熊本医療センターの公式サイトでご確認ください。 |
信頼性の高いサイトから情報を収集することが大切
ネット上には癌に関する情報が無数にあり、その中にはがん患者にとって有益とは言えないものも多数含まれています。
言わずもがなですが、信頼できる情報源から情報を得ることがとても大切です。
各地方公共団体では、がんに関する情報を積極的に発信しており、熊本県でも県のホームページに「熊本県のがん情報」と言うページを設けています。
がんに罹った場合の支援制度やがんの相談窓口等に関する情報が掲載されていますので、必要に応じて活用されると良いと思います。
また、国立がん研究センターが運営しているサイト「がん情報サービス」もありますので、そちらも併せて参照されてみては如何でしょうか。
がん情報サービス(国立がん研究センターが運営する公式サイト)
(了)